ここ数年で「パパ活」という言葉を聞くことが増えました。かつてパパ活にあたる行為は「援助交際」と呼ばれていましたが、逆にこちらを聞くことが少なくなったのではないでしょうか。SNSの普及もありパパ活に対するハードルは援助交際と呼ばれていたときより低くなり、比較的身近に、パートナーがいる人でもしていると言われています。
パートナーからすると良い気持ちはしないと思われますが、そもそもパパ活は浮気あるいは不倫にあたるのでしょうか。この点につき以下で言及していきます。
パパ活とは
「パパ活」に厳格な定義はありません。
「女性が経済的に余裕ある年上男性と一緒に過ごし、金銭を得ること」と表現されることがありますが、必ずしも金銭を得る必要があるわけではありませんし、「パパ」の由来とされている年齢差も特に重要なことではありません。また、どのような過ごし方をするのかもケースバイケースであり、パパ活をしている方の男性との過ごし方も人それぞれです。例えば一緒に食事をしたりデートをしたりするだけのケースもあれば、肉体関係を持つこともあります。
浮気の定義
浮気の定義についても考える必要があります。
やはりパパ活同様厳格な定義付けはされていないのですが、一般的には「パートナー以外と肉体的な接触を持つこと」、あるいはより広く浮気を捉えて「パートナー以外に関心を移すこと」と考えることもあるようです。
結局のところどこから浮気になるのかは定かではなく、人それぞれの考え方によります。
少なくとも肉体関係を持つことは浮気に該当すると考えられますが、もっとも大切なのはパートナーがどのように考えているのか、ということでしょう。
パパ活は浮気になるのかどうか
以上を踏まえ、パパ活は浮気になるのかどうかを考えていきましょう。
まず、パパ活と呼ばれる場合本人らに浮気の認識がないことが多いです。パパ活当事者の関係を繋いでいるのは金銭等の利益であり、ビジネスのような感覚でパパ活をしていることが多いからです。
肉体関係を持たないことも珍しくありませんし、食事に行くだけ、一緒に過ごして経済的な支援をしているだけ、などの場合には浮気と決定づけることは難しいかもしれません。
しかし同じ相手とパパ活を続ける中で恋愛感情が芽生える可能性もありますし、そうすると会う目的が変わってきます。外観上は同じ行為をしていても、両者の気持ちが変わるだけで浮気として捉えられる余地もあるのです。
また、感情が伴っていなくても肉体関係を持った場合にはやはり浮気と捉えることができるでしょう。
結婚しているなら法定の離婚事由にあたるかどうかもポイント
パパ活をしているのが既婚者である場合にはまた話が変わってきます。
なぜなら浮気に比べて不倫、とりわけ法定の離婚事由はわかりやすい線引きがなされているからです。
離婚をする場合、夫婦間の合意で離婚を成立させることができますが、逆に夫婦間で離婚するかどうかに関して争いが生じることもあります。多くは当事者間での協議、これが無理でも調停で決着をつけることができますが、それでも解決しないときには裁判へと進みます。そしてこのとき、離婚の可否を決定づける事由の存在がポイントになってきます。当該事由の1つが「不貞行為」であり、要は肉体関係を持つことを意味します。
よって、人によって捉え方が様々である浮気に対して、不倫にあたる不貞行為は比較的枠組みがはっきりしておりその評価が容易なのです。
これは、同様の事例で裁判を受けた者同士のバランスを取るためです。不貞行為に限らず裁判にはある程度の相場があるのです。
逆に、不貞行為とまでは言えない行為だと離婚を成立させられるかはわかりません。しかしながら離婚事由は不貞行為だけではありません。行き過ぎた行為、例えば経済的支援の額が大きすぎて家計が苦しくなっているなどの現状があれば離婚が認められることもあります。